病気・医療コラム:女医の産婦人科、婦人科:咲江レディスクリニック(名古屋市千種区)完全予約診察(予約ダイヤル052-757-4003)
痛みの場所とその程度、どんな性質の痛みかでだいたいの原因の予測ができます。
今回は下腹部の痛みにしぼってお話します。
■おなかの場所の名称
下腹部を3つの場所にわけ、それぞれの場所に1から3まで番号をつけました。
1.右下腹部
2.下腹部中央
3.左下腹部
■腹痛の種類
痛みの性質を3つにわけました。
a.疝痛(強い痛みが周期的におこる)
b.疼痛(強い痛みが持続的におこる)
c.鈍痛(鈍い痛み)
■診断
痛みの場所(番号)と痛みの性質(アルファベット)を組み合わせたところをみてください。
例えば左下腹部の鈍痛があるようであれば、3−aの欄をみてください
病気の名前がずらずら並び、見ただけで思わず吐き気がするかもしれませんが、最後に病気の説明をしています。めんどくさい場合は一気に病気の説明までとんでください。
オメガ3とうつ病
1 | 2 | 3 | |
a | 右下腹部の疝痛 急性虫垂炎、尿管結石、結腸憩室炎 | 下腹部中央の疼痛 尿管結石、骨盤内付属器炎、腸閉塞 | 左下腹部の鈍痛 尿管結石、急性大腸炎、敏感性腸症候群、潰瘍性大腸炎、結腸憩室炎 |
b | 右下腹部の疝痛 急性虫垂炎、結腸憩室炎、子宮外妊娠、骨盤内付属器炎、卵腫瘍茎捻転 | 下腹部中央の疼痛 子宮外妊娠破裂、卵腫瘍茎捻転、骨盤腹膜炎、腸閉塞 | 左下腹部の鈍痛 結腸憩室炎、子宮外妊娠、卵腫瘍茎捻転 |
c | 右下腹部の疝痛 急性大腸炎、結腸憩室炎、その他の大腸の病気、骨盤内付属器炎 坐骨神経痛治療英国 | 下腹部中央の疼痛 膀胱炎、骨盤内付属器炎、その他の婦人科系の疾患 | 左下腹部の鈍痛 急性大腸炎、便秘、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎 |
むずかしい病気の名前が並びましたので、それぞれの病気の説明をしていきます。
(あいうえお順に病気の名前を並べました)
潰瘍性大腸炎/大腸に原因不明の炎症がおこる若者に多い病気
(症状)下痢、慢性の粘血便をともなう腹痛
(治療)内服薬。場合によっては外科的治療。
過敏性腸症候群/自律神経の異常で腸のはたらきが異常になる。
(症状)下痢と便秘を交互にくりかえす。腹痛、満腹感。
(治療)内服薬
急性大腸炎/ウイルスや細菌などで腸に炎症がおこる病気
(症状)下痢、腹痛、嘔吐、特に発熱。
(治療)内服薬。脱水がひどい場合は点滴。
急性虫垂炎
(症状)右下腹部の痛みが出る前に胃のあたりがいたくなり、最後に右下腹部 の痛みになることがある。
(治療)主に手術。抗生物質を使って様子をみることがある。
関節痛はありません炎症
結腸憩室炎
(症状)通常無症状だが、炎症を起こすと発熱をともなう腹痛をおこす。ときに血便をみる。
(治療)抗生物質の投与。
骨盤内付属器炎/卵管や卵巣の炎症
(症状)発熱をともなう下腹部の痛み
(治療)抗生物質の投与。
骨盤腹膜炎/骨盤の中に炎症が広がった状態
(症状)発熱をともなう下腹部痛
(治療)手術(程度にもよる)
子宮外妊娠
(症状)不正出血をともなう下腹痛。子宮外妊娠が破裂するとショック状態(血圧低下、瀕脈)となる
(治療)手術
腸閉塞
(症状)腹痛、腹部膨満、嘔吐、排便停止。
(治療)原因により治療法が異なる。点滴などで様子を見るが、改善 しなければ開腹手術。
尿管結石
(症状)血尿。背中、腰、脇腹から下腹部にかけた痛みが出現。(治療) 5mm以下の石に関しては、水分摂取、薬物投与などで自然排出を試みる。1CM以上の石に関しては自然排出は困難で、衝撃波で粉砕する。
膀胱炎/膀胱内の細菌感染
(症状)下腹部痛、頻尿、排尿通、血尿、残尿感。
(治療)抗生物質の投与。水分を多めにとる。
便秘/原因は、機能性(腸管の運動機能異常)、器質性(腸に病気がある)、症候性(腸以外の病気をともなう)、薬剤性(薬によって引き起こされる)にわけられる。
(症状)左下腹部が痛くなることが多い。
(治療)
機能性→食事、運動療法、薬物
器質性→手術などで腸の病気をまず治療する
症候性→原因となる病気の治療
薬物性→原因となる薬を止める
卵腫瘍茎捻転
(症状)突然の激しい下腹部痛。時にショック状態。
(治療)手術。
どうですか?おなかが痛くなる原因もいっぱいあるでしょ。
でもこの中で治療を急いだほうがいい病気もあるので、調べて満足せずに、症状があるときは病院を受診してね。
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